”がん”の転移や再発ってよく起こるの?

★「再発」とは、治療がうまくいったように見えても、手術で取りきれていなかった目に見えない小さながんが残っていて再び現れたり、薬物療法(抗がん剤治療)や放射線治療でいったん縮小したがんが再び大きくなったり、別の場所に同じがんが出現することをいいます。

治療した場所の近くで再発を指摘されるだけでなく、別の場所で「転移」としてがんが見つかることも含めて再発といいます。

初回の治療でがんが完全に取り除かれていれば、もちろん再発することはありません。
けれども実際には、がんが発見されたときすでに、その多くに目に見える転移、あるいは目に見えない転移(微少転移)があるといわれています。

そのため初回の治療では、再発や転移を防ぐ目的で抗がん剤が使われることが多くあります。

再発というのは、決してまれなことではないのです。

★がんの種類や性質、治療の経過などから、再発しやすさ、転移の起こりやすさや起こる場所について、ある程度予測して対策をとることができます。

肝細胞がんの多くは肝炎ウイルスによる慢性肝炎や肝硬変を背景としており、がんを治療しても高い確率で肝臓の別の場所に再発することがわかっています。

このことから治療の後も継続的に肝臓の状態とがんの再発の有無について確認していきます。

肺の小細胞がんの治療では、脳への転移を起こしやすいがんの性質を踏まえて、初期治療で高い治療効果が得られた場合には、予防的に脳に対して放射線を当てる治療を行うことがあります。

がんの種類によっては、再発や転移について早めに診断して治療したり、目に見えない小さな転移があるものと想定して、再発や転移の可能性を減らすために治療を始めたりすることが有効であるとわかっているものもあります。

しかしながら、がんの再発や転移を完全に防ぐことはできません。

検査や治療の進め方を考えるときには、このことを踏まえて、がんの状態と自分の体の状態に応じた方法を決めていくことになります。

出典 国立がん研究センターがん情報サービス

監修 大塚弘毅先生(杏林大学医学部附属病院)

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