“がん”ってナニ?

★現在、日本人の2人に1人は一生のうちに何らかのがんにかかるといわれています。

がんは、すべての人にとって身近な病気です。

【生涯でがんになる確率】

男性65.5%、女性50.2%

【生涯でがんで死亡する確率】

男性23.9%、女性15.1%

★がんは、遺伝子が傷つくことによって起こる病気です。

一部のがんにはウイルスなどの感染が関係している場合がありますが、がんという病気そのものが人から人にうつることはありません。

★がんのことを悪性腫瘍ということもあります。

腫瘍とは、体の中にできた細胞のかたまりのことです。
正常な細胞は、体や周囲の状態に応じて、増えたり、増えることをやめたりします。
しかし、何らかの原因でできた異常な細胞が、体の中に細胞のかたまりを作ることがあります。
これが腫瘍です。悪性腫瘍(がん)とは、このような腫瘍のうち、無秩序に増殖しながら周囲にしみ出るように広がったり(浸潤)、体のあちこちに飛び火して新しいかたまりを作ったり(転移)するもののことをいいます。
一方、浸潤や転移をせず、周りの組織を押しのけるようにしてゆっくりと増える腫瘍を良性腫瘍といいます。
良性腫瘍は、もとになる細胞の種類や腫瘍の大きさ、できた場所によっては症状がでることがありますが、多くの場合、手術で完全に取りきることができれば再発することはありません。

★がんは、がんが発生した細胞の種類によって、癌腫や肉腫、血液がんなどの種類に分類されます。
ひらがなの「がん」は悪性腫瘍全体を示し、漢字の「癌」は上皮細胞から発生する癌腫として使われることもありますが、特に区別しないこともあります。


★がんは段階を追って進行します。

がんの発生と進行の仕組みを、癌腫の場合を例に説明します。
遺伝子に傷がついた異常な細胞のうち、上皮内にとどまっているものを、上皮内新生物といいます。
上皮内新生物は、基底膜を越えていないため、多くの場合手術で取り除くことが可能で、転移していることはほとんどありません。
上皮内新生物には、前がん病変と上皮内がんがありますが、両者をはっきり区別するのは難しいこともよくあります。
また、がんの種類によって、上皮内新生物の治療をするかどうかや、治療の方法なども異なります。

①正常な組織

②上皮内新生物

1)前がん病変(異形性、腺腫など)・・・遺伝子に傷がついた異常な細胞ができる。

2)上皮内がん・・・複数の遺伝子の異常が蓄積した細胞が増えてかたまりを作り、周囲に広がりやすくなる。

③浸潤がん

1)浸潤・・・異常な細胞が基底膜を越えて周りに広がる。

2)転移・・・血管などに入り込んで全身に広がる。

 

出典 国立がん研究センターがん情報サービス

監修 大塚弘毅先生(杏林大学医学部附属病院)

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